アニメ3期の放送が迫る大人気ライトノベル転生したらスライムだった件こと転スラ。
そんな転スラの世界には多くの国が存在します。
- 主人公リムルが治める国:魔国連邦
- ドワーフの国:武装国家ドワルゴン
- シズさんの教え子がいる国:イングラシア王国
- エルフの国:魔導王朝サリオン
アニメ2期で登場したこれらの国は、書籍最新21巻でも存続していますが、唯一滅亡した国があります。
もうお気付きだと思いますが、アニメ2期前半の最後に魔国連邦に侵攻したファルムス王国です。
ファルムス王国は、転スラ世界で初の滅亡した国という訳ではありませんが、物語が始まって初めて滅んだ国ということになります。
ここでは、ファルムス王国の基本的な情報から魔国連邦侵攻の理由、滅亡までの経緯や滅亡後の後継国についても解説していきます。
ファルムス王国とは
西方評議会加盟国の中でもトップクラスの大国。
武装国家ドワルゴンの隣国。
東の帝国や武装国家ドワルゴンと西方諸国の貿易路上にある大国ということもあって、貿易で莫大な利益を得ていました。
農業大国ではありますが、収入の基本は貿易収入。
テンペスト侵攻
ファルムス王国と言えば、自滅行為ともいうべきテンペスト侵攻。
なぜファルムス王国はテンペストを攻めたのか。
なぜ建国してすぐではなくしばらく経ってからだったのか。
ここでは、テンペスト侵攻戦の発端から終結までの流れをお話します。
ファルムス王国の貿易量低下
先ほども言った通り、ファルムスは帝国やドワルゴンと西方諸国の貿易によって莫大な収入を得てきました。
しかし、それはジュラの大森林が危険地帯であり、安全な貿易路がファルメナス王国を通るルートしかなかったからにすぎません。
ファルムス王国としても、それが分かっているから関税や商品代金を引き上げています。
しかし、テンペスト(以降は魔国連邦)という安全で高速で荷物を運べる上に良質な商品を仕入れられるポイントが誕生したことで、ファルムス王国の状況が一変します。
貿易の中心地が魔国連邦に移動したことで、貿易による収入は激減。
ダメージは小さいものの、プライドが高いファルムス王はこれを看過できませんでした。
侵攻の裏に謎の商人
貿易量の低下について、ファルムス王国の首脳部はすぐに感知できませんでした。
魔国連邦の脅威を首脳部(国王エドマリス)に伝えたのは、東の商人と名乗る男。
後にこの男が魔王クレイマンやユウキカグラザカが送り込んだ工作員だと分かるんですが、しばらくは不明なので、ここでは「謎の商人」と称します。
謎の商人は、魔国連邦産の絹織物などで国王の心を掴んで、魔国連邦の脅威を説いたのです。
そうして開かれた御前会議で、魔国連邦への侵攻が決定しました。
その前段階として、王国最高戦力である異世界人や騎士団長フォルゲンを中心とする部隊を魔国連邦に派遣。
騒動を起こして、これを魔物によるファルムス国民への攻撃として西方聖教会にテンプルナイツの派遣を要請。
これに答えたのが、ファルムスを担当するレイヒム大司教。
こうして用意ができたところで、ファルムスの全軍をもって魔国連邦に侵攻していきます。
侵攻の失敗
侵攻の第一段階として、魔国連邦の魔物たちを弱体化させる結界を展開、その維持のためにテンプルナイツを四方に配備して包囲しました。
魔国連邦側は、侵攻軍と包囲部隊の情報が集まっていたため、リムルの命令で四方の部隊が襲撃されて全滅。
唯一、異世界人のひとりシュウゴのみがファルムスの宮廷魔術師長ラーゼンによって救われましたが、本国への帰還はかないませんでした。
ファルメナス王国軍VSリムルテンペスト
包囲部隊が全滅したことで、残る戦力は侵攻軍(本軍)約2万のみ。
それに挑むのは、魔国連邦の盟主リムルテンペストです。
数でみると圧倒的にリムルが不利ですが、人間と魔王級の魔物では格が違いすぎます。
リムルにもそれが分かっていました。
そこで、早期で片付けるべくある新作の魔法を発動します。
その名も「神之怒」
これによって、大人数の将兵を殲滅していったのです。
その中には、騎士団長フォルゲンやラーゼンもいました。(ラーゼンは、異世界人から奪った能力で再生して後に捕虜となります)
その後は、エドマリス王がリムルを怒らせたりというアクシデントはありましたが、新スキル「心無者」(ムジヒナルモノ)で捕虜以外を一気に殲滅。
こうして、リムルは魔王へと進化し、ファルムス王国軍は全滅したのです。
ファルムス王国の滅亡とファルメナス王国
テンペスト侵攻が失敗に終わった後、ファルムス王国は一気に滅亡へと進んでいきます。
ここからは、捕虜3人の帰国からファルメナス王国の建国までの流れを見ていきましょう。
※アニメ3期の内容です。
ラーゼン&エドマリス王の帰国
捕虜となったレイヒム大司教やラーゼン、エドマリス王はシオンやミューランによる拷問を受けた後に帰国することになります。
その目的は、英雄ヨウムによる革命(国盗り)を成功させるため。
その総指揮官として、第二秘書ディアブロが派遣されました。
帰国するといっても、五体満足とはいかないどころか、生きた肉塊として箱に詰められた状態での帰国。
その上、ディアブロの能力によって裏切り不可能な完全支配を受けることになりました。
これでは、作戦が実行できないので、まずはレイヒム大司教とラーゼンを復活させます。
準備ができたところで、捕虜3人がファルムス王国の王城に送られました。
エドマリスの復活
城に戻ると、そこには大臣や重臣たちが集まっていました。
その場に最初に現れたのはラーゼンとエドマリス。
エドマリス王の変わり果て姿とラーゼンが伝えた戦争のあらましを聞き、その場にいたほとんどの者が王国の敗北と存亡の危機であることを理解しました。
それというのも、ディアブロとリムルが考えた戦争の流れが、あまりにも人類ではどうしようもなかったから。
テンペスト侵攻戦の流れ
- ファルムス王国軍2万とテンペスト軍の戦闘で暴風竜ヴェルドラが復活
- ヴェルドラの復活で王国軍が全滅
- テンペストの盟主リムルと英雄ヨウムがヴェルドラを説得し和解
- テンペストで3人を捕虜として帰国させる
この中で人類ではどうしようもない存在と言うのが暴風竜ヴェルドラ。(リムルはその力が周知されていないので含まれません)
リムルがこの世界に転生した時(ヴェルドラを捕食した時)に西方聖教会はヴェルドラの消滅を発表していましたので、それが復活して自由の身となっていると知り大混乱。
さらに厄介なことが、ヴェルドラと交渉可能な存在と敵対してしまったこと。
このことがが示すのは、テンペストとの戦闘を平和的に終わらせなければ国が地図から消えるということ。
場が混乱する中で登場したのがレイヒム。
レイヒムは、説得というよりラーゼンが言っていたことを補って場を少しでも落ち着けただけ。
事態を動かしたのは英雄ヨウム一行の登場。
彼らは、オークロード(魔王ゲルド)討伐で英雄となり、ヴェルドラと交渉した人間。
最初こそ、平民という理由で話を聞いてもらえませんでしたが、ラーゼンやレイヒムの加勢でようやく説得に成功。
それを見て登場したのが、ヨウム一行の執事に扮していたディアブロ。
ディアブロは、肉塊となったエドマリス王をフルポーションで回復させた上で、リムルの名代としてファルムス王国が取れる選択肢を伝えに来ました。
その選択肢というのが……
- エドマリス王の退位と賠償金(星金貨1万枚)の支払い
- テンペストの属国となる
- 戦争を継続して国を滅ぼす
この選択肢に大臣連中はは激怒するも、行動には移さずディアブロを見送ります。
回答期限は1週間後。
エドマリス王は、全貴族に諮るべく3日後に御前会議を開くことを決定。各地に通達を出します。
それと同時に、王城にいる重臣や大臣で事前会議を開くことに。
事前会議
翌日、会議室で事前会議が開かれました。
メンバーは、国王と王子、重臣に加えて中立派のミュラー侯爵とヘルマン伯爵。(ミュラーとヘルマンはブルムンド王国の工作でテンペスト側についています)
この会議でまず決まったのは3番目の選択肢の排除。
さらに、国の体裁を重んじることから2番目の選択肢も排除。
その結果、エドマリス王の退位と賠償金の支払いが決定しました。
御前会議
捕虜の帰国から3日後。
ファルムス王国のほとんどの貴族が出席する御前会議が開かれました。
最初に行われたのは国王の演説。
テンペスト侵攻についての謝罪と、自らの退位と賠償金の支払いを認めるといった完全降伏ともいえる演説です。
その内容に、プライドが高く私利私欲に走りたい貴族たちは激怒。
領地持ちの貴族派からは、徹底抗戦を主張します。
それを静かにいているエドマリス王や重臣たちは、テンペスト侵攻を決定した時の自分たちを思い出して俯いているばかり。
そうした中で、降伏を良しとしない派閥(貴族派)の中心人物エドワルド(エドマリス王の弟で公爵)がエドマリス王を糾弾。
しかし、エドマリス王に優しく言い負かされて少し間が生まれます。
そのタイミングで、中立派のヘルマン伯爵がブルムンド王国からの手紙の内容を発表。
それは、魔国連邦を支持してファルムス王国を非難するということ。
それ自体にそこまで効力はありません。
問題なのは、伝令の兵士が持ってきた急報。
それは、魔王たちの宴(ワルプルギス)での顛末でした。
魔王を名乗ったリムルとそれに反対した魔王クレイマンが戦い、リムルが勝利して名実ともにリムルが魔王になったという情報に、貴族たちは絶句します。
そして、しばらくの沈黙ののちに口を開いたのがエドマリス王です。
エドマリス王は、前から主張する退位を伝えると共に、弟のエドワルド公爵を次期国王に指名しました。
最初こそエドワルドは、エドマリス王の息子に譲位すべきと言っていましたが、元々王位への野心を抱いていたこともあり、エドマリス王の使命を受け入れ、他の貴族もそれを承認。
こうして、御前会議で決めるべきことは決定し、魔国連邦との和睦会談で賠償金の支払いとエドマリス王の退位を条件に和睦が成立しました。
賠償金として、会談の場で星金貨1500枚が魔国連邦側に渡されて、足りない分は借款(国家間の借金みたいなもの)となりました。
エドワルド軍が動く
退位したエドマリスは子爵となりヨウムの本拠地近くの長閑(のどか)な領地に移り、権力とは無縁な生活を送ります。
それと同時に、ヨウムに帝王学を教えることになりました。
それと当時に、ベニマルが反乱軍への援軍を準備して、いつでも遅れる状態が整っていました。
その後、西方聖教会で七曜による命令が下り、悪魔(ディアブロ)や魔物(魔国連邦の者)の討伐を目的としたテンプルナイツがファルムスに送られ、魔国連邦にもヒナタサカグチら精鋭の騎士が送られました。
それに呼応するように、エドワルド新王がエドマリスに全責任を負わせて死んでもらうべく挙兵。エドマリス領へと進行しました。
それを会議の場で聞いたリムルが、ファルムス王国攻略作戦の総仕上げディアブロに任せ、ゴブリンライダーやクレナイなどの精鋭部隊の一部を援軍としてファルムスに差し向けました。(指揮官はハクロウ)
終結、そしてファルムス王国の滅亡
まず仕掛けたのはディアブロ。
魔王覇気でエドワルド本陣にいた精鋭を戦闘不能にしました。
一方で、ヨウム軍付近では魔国連邦からの援軍とエドワルド軍が戦っていましたが、ここでもエドワルド軍が大敗。
エドワルド王は、ディアブロの強さと軍の敗北を知り命乞いをしながら降伏。
そのまま退位して、ヨウムに譲位しました。
ここにファルムス王国は滅び、ファルメナス王国が建国されたのです。
おわりに
ファルムス王国は、東の帝国や武装国家ドワルゴンといった超大国と西方の中小の人類国家を安全に結ぶ交易路上にあることから、経済大国としてその地位を盤石にしていました。
しかし、テンペストの台頭で貿易の中心地が移動。そこに謎の商人や西方聖教会の陰謀が相まって、テンペストを侵攻することになり、激怒したリムルによって軍隊が全滅して再起不能になりました。
そして、賠償問題を理由に内乱が起きて、前王側に就いた英雄ヨウムやテンペスト勢が内乱に勝利して新国家を樹立することになりました。
こうして、事実上ファルムス王国は滅亡したのです。
今回ご紹介したのはファルムス王国についてですが、なろ転ブログでは転スラを中心にアニメの解説や情報発信をしています。
よろしければ、他の記事もごらんください。
ファルムス王国についての原作小説は下記の通り
原作第5巻「魔王覚醒編」
原作第7巻「聖魔対立編」