大人気SF戦記ファンタジー銀河英雄伝説は、宇宙での大戦争が描かれています。
戦争自体は銀河帝国と自由惑星同盟の戦争でしかありませんが、詳しく見ていくと複雑で1記事では語り切れません。
そこで今回は、国や地域単位での対立構造を見ていきましょう。
詳しく見ていくともっとドロドロとした対立があるのですが、それはまた別の記事でまとめていきます。
この記事では、そもそもの話としてこの3つの勢力は何なのかについて見ていきます。
3つの勢力の概要
銀英伝の世界は、銀河帝国と自由惑星同盟という2か国で構成されており、フェザーンは銀河帝国内の自治領に過ぎません。
しかし、大商人が帝国中枢と交渉して自治権をゲットして自由惑星同盟と銀河帝国の緩衝地・中継地点となっています。
なので、軍事的には2か国間の戦争でしかありません。
ただ、情報や経済の面でフェザーンが有利に立とうとして三つ巴の関係になっています。
次の章からは、各勢力について見ていきます。
まずは銀河帝国から。
銀河帝国
まずは、ラインハルトが主人公の銀河帝国から紹介します。
この国は、国力は圧倒的ですが貴族の力が強い専制君主制国家の為、指揮官の質はそこまで高くない国家です。
銀河帝国ゴールデンバウム王朝の歴史
銀河帝国は、唯一の国として誕生しました。
はじめは共和制国家(銀河連邦)でしたが、政治の腐敗などから独裁的なヒーローをもとえる風潮となったことから、その時の人気議員ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが元首となり、後に皇帝に即位したことでできたのが銀河帝国ゴールデンバウム王朝です。
ルドルフ大帝によって、政治犯や思想犯だけでなく障害のある人や難病の人も弾圧されて粛清されていきました。
その結果、建国時にルドルフと近しかった者が貴族として幅を利かせるようになり、専制君主制が成立。国民や搾取の大将となってしまいました。
その後、自由惑星同盟が成立すると戦争が勃発するも、指揮官の多くが軍事に疎い貴族だったあこともあり惨敗続き。
ついには、有能な指揮官が不足したため平民や弱小貴族からも指揮官が誕生するようになり、その結果的に皇帝の妃の弟ラインハルト=フォン=ミューゼルが台頭して、家名をローエングラムと改めたラインハルトによって帝国を乗っ取られてしまいました。
銀河帝国の内部分裂
銀河英雄伝説では、銀河帝国内の内乱や対立が描かれているのですが、中でも魔のガタリに影響を与えた内部分裂を2つご紹介。
ラインハルトVSリップシュタット貴族連合(門閥貴族連合)
ラインハルトが台頭し始めたころから敵対していたブラインシュバイク浩し始めたころから敵対していたブラウンシュバイク公ら門閥貴族(皇帝との血縁をもつ特権貴族)が新皇帝即位をきっかけに挙兵した内乱です。
協力掌握を狙う帝国宰相とそれを利用するラインハルトによって、門閥貴族連合は賊軍として討伐され、メルカッツなど指揮官や貴族の一部が同盟やフェザーン自治領に亡命しました。
その一方で、ラインハルトの親友で側近のキルヒアイスが暗殺されてしまいました。
そのため、ラインハルトが茫然となっており、参謀長オーベルシュタインがラインハルト艦隊を指揮。すぐさまキルヒアイス暗殺の首謀者として帝国宰相リヒテンラーデンを拘束し粛清しました。
一連の内乱によって、軍権だけでなく内政の権力も掌握しラインハルト独裁がスタートしました。
これ以降、貴族の権力は急激に衰える代わりに国力が急激に成長しました。
ラインハルトVS銀河帝国正統政府
銀河帝国ゴールデンバウム王朝で最後のにして最大の戦争が、この銀河帝国正統政府と名乗る幼帝誘拐グループとの戦争。
この戦争は、フェザーン自治領政府の陰謀で亡命していた門閥貴族残党と皇帝の元妃が起こした幼帝誘拐事件が発端ではありますが、銀河帝国正統政府が幼帝と共に自由惑星同盟に亡命したことで、国家間の大戦争になってしまいました。
その結果、まず最初にフェザーン自治領が完全併合されて、イゼルローン要塞を破棄することに。
ヤン艦隊がラインハルトを追い詰めますが、首都星が降伏し停戦命令下されたことで自由惑星同盟・正統政府連合軍が敗北しました。
その結果、銀河帝国では幼帝が退位してラインハルト派の女帝が誕生し、その女帝から禅譲されることでラインハルトが皇帝となり、ゴールデンバウム王朝を終わらせました。
自由惑星同盟は、巻き込まれただけということもあって賠償金の支払いと大軍縮という条件で存続を許されました。
自由惑星同盟
銀河帝国内で弾圧されてきたアーレ=ハイネセンら共和主義者たちが帝国を逃亡して新たに建国した共和民主制の国です。
最高意思決定機関である最高評議会の合議制で国政を行う民主国家ですが、軍事には疎いので毎回誤った決定を下してしまい大敗を喫しています。
そして、帝国侵攻の失敗で政権交代して以降は議長トリューニヒトをはじめとする議員が政治を腐敗させて、最終的に自らの地位や生命を第一に考えたトリューニヒトによって帝国に敗北してしまいました。
自由惑星同盟の内部対立
自由惑星同盟でも内乱が起きていますが、今回は内乱となった対立と、長期間にわたる軍事と政治の対立を紹介します。
救国軍事会議のクーデター
このクーデターは、銀河帝国の内乱を邪魔されたくないラインハルトによって仕組まれたもので、勃発タイミングも内乱勃発に合わせたタイミング(宇宙暦797年3月30日)に起こりました。
クーデターの首謀者はヤンの副官フレデリカ=グリーンヒルの父で総参謀長のドワイト・グリーンヒル大将。
そして、クーデターを起こさせるためにラインハルトが送ったのがエル・ファシルでヤンたちを置いて降伏したリンチ元司令官。
最初こそ、地方5カ所で一斉反乱を起こして中央政府がその対応に追われている隙に首都星ハイネセンを占拠しクーデターを一時的に成功させています。
ただ、国家元首トリューニヒトは逃亡しており主戦力のヤン艦隊は救国軍事会議への参加を拒否。
ついには、反戦集会で中心人物のジェシカ・エドワーズらを殺害しそれに怒った集会参加者を虐殺してしまい、大儀を失ってしまいました。
そして、統合作戦本部の命令を受けたヤン艦隊が全力出撃し、迎撃に来た第11艦隊を壊滅させて各地の反乱を鎮圧。最終的に首都星を守る防衛システム“アルテミスの首飾り”をすべて破壊して救国軍事会議を無力化しました。
そして、元救国軍事会議のメンバーがラインハルトの存在を暴露したことで、内部分裂し国の裏切り者リンチを撃とうとしたグリーンヒル大将が返り討ちにあいリンチも周りの武官に撃たれたことで救国軍事会議は降伏。
幹部は自決してクーデターは終結しました。
この結果、軍の暴走を抑える名目でトリューニヒト派による監視が付き、政治の腐敗も重なって同盟軍は一気に弱体化しました。
最高評議会VSヤン=ウェンリー
最高評議会と軍部との対立は、物語が始まる前からありましたが、ヤンの台頭で激化しました。
まずは、イゼルローン要塞を奪取してすぐの帝国領への侵攻作戦。
ヤンの台頭を快く思わない軍人が評議会を動かしたことで始まったこの侵攻作戦で、損害が軽微のうちに撤退しようとする現場に対して評議会が戦争継続を決定。司令部も撤退を許さなかった。
結果的に、ラインハルトの采配で大損害を受けた同盟軍は有能な人材と艦船を失い再起不能になりました。
もうひとつの対立が第8次イゼルローン要塞攻防戦。
攻防戦が初声したのは、影響力が増してきたヤンを危険視したトリューニヒトが国防委員長を動かして査問会を開いたタイミング。その裏にはフェザーンの陰謀があるのですが、それはまた別のところで。
この査問会のせいでヤン不在となったイゼルローン要塞にケンプ大将率いる帝国軍がガイエスブルク要塞と共に登場。まずは要塞砲の撃ち合いが始まりましたが、その後は帝国の陸戦隊による要塞内部での戦闘なるも殲滅。
そしてついに、艦隊戦に突入しかけたところでヤンが率いる小規模艦隊が登場して攻撃に成功。艦隊決戦はヤン艦隊の勝利に終わり、悪あがきとばかりにガイエスブルク要塞での体当たりをするケンプも要塞と共に消滅しました。
自由惑星同盟と銀河帝国ゴールデンバウム王朝の最後の戦いでまたやらかしたのが最高評議会議長トリューニヒト。
イゼルローンを破棄したヤン艦隊と侵攻してきたラインハルト艦隊が衝突し、あと一歩のところまでラインハルトを追い込んだのに、帝国軍の別動隊が首都星に来たことであっさり降伏して最後の勝機を失うことになりました。
結果的に同盟は帝国の言いなりになり、脅威となっていたヤンは暗殺されかけたところを機転を利かせてエル・ファシルに逃亡すること。最高戦力を失った同盟は、その後の大親征であっさりと滅亡してしまいました。
フェザーン自治領
帝国と同盟の戦争をきっかけに大商人が自治権を獲得してできた星ひとつの小さな自治領。
それでも、二国間の中継貿易や情報のやり取りなどでかなりの影響力を持つ。
自分たちが経済を支配するために両国内で様々な工作をしますが、ラインハルトとヤンに阻止されています。
そして、最終的にラインハルトによって攻撃されて占領。その後に完全併合となりローエングラム王朝の出になりました。
まとめ
今回ご紹介した3勢力とは別に宗教勢力として地球教がいるのですが、彼らはローエングラム王朝となった銀河帝国で事件を起こすので、ここでは紹介を省きました。
今後、地球教についても話していきますのでお待ちください。
そして、今回の記事では3勢力の概要と内部の対立を紹介しましたが、個々の勢力の紹介は別記事でしていきますので、ぜひ他記事も読んでいってください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。